裾野市 F様邸

2SLDK
施工面積:約27.5坪

千葉県から裾野市への移住

中古住宅購入+リノベーション

 

移住までのSTORY

F様からメールとお電話を頂いたのは、年の初めでした。
「中古住宅を買って住みたいのですが、アドバイスをして貰えますか?」
というご相談から始まりました。

親戚の住む富士山周辺の環境が留学に行かれていたカナダ バンクーバー郊外の町に似ており以前から移住を考えていた。ということで、
富士山麓~箱根~伊豆半島に至るまで、地域毎の特徴をご説明した上で、留学で行っていたカナダ、バンクーバー郊外の環境に似ている裾野市十里木周辺に絞り込み、ご一緒に中古住宅を見に行きました。

リノベーションに適した物件探しのお手伝いでは、もっとも重要なのはもちろん間取りや広さですが、その上で築年数や建物の品質、住宅ローン控除を受けられるかどうかや、予算に合った価格で中古物件購入とリノベーションを叶えられるかを検討しなければ成功しません。これをお客様一人で行うのは至難の業です。

当社では物件探しのお手伝いと並行して、「間取りの変更が必要か」、「性能向上リノベーションがどの程度必要か」「ローン控除が受けられるか」「耐震性能はたりているか」「銀行との交渉」など様々な観点から中古物件購入前に情報精査とご提案をワンストップで行っています。

F様もこれらの情報を元にこの物件に決められて、リノベーションをすることになりました。

採用したリノベーション内容

外装リノベーションで断熱性能と耐震強度を向上

一番最初に決まったのは外装リノベーションでした。築30年以上経過していたこの物件は耐震強度が少し不足していて、そのままでは住宅ローン控除が受けられませんでした。ローン控除は100~200万円もの税制優遇が受けられますので大きなポイントとして耐震改修が必須でした。

また、標高が高い寒い地域というのもあり断熱強化も今後省エネに暮らしていくために必要でしたので、断熱性能向上と耐震性能向上を同時に叶える、外装リノベーションをご提案、採用して頂きました。

外装リノベーションの手順は以下の通りです。

①既存のサイディングを撤去

解体したサイディングが散らからないようにシートを張って作業します。また解体したらすぐに雨が入らないようにブルーシートで覆っていきます。

②構造用合板で外周を補強し耐震基準をクリア

同時に金物の締め直しや、追加補強で耐震検査を受け合格しました。

③窓をアルミサッシから樹脂サッシLowEⅡペアガラスに交換

④外張断熱で断熱性能を向上と湿気対策

⑤最後は金属サイディングで仕上げ

湿気の多い地域では特に安心な、「壁内結露をしない外断熱」「室内結露しない樹脂サッシ」を採用し、耐震性能まで上げて新しい外壁で仕上げると外からは新築にしか見えません。

 

玄関は北欧デザインの輸入玄関ドアを採用し、ダントツの断熱性能持つ、とても景色に馴染む雰囲気に生まれ変わりました。

断熱補強リノベーション、床の底冷え防ぎ、屋根からの熱も伝えさせない

寒冷地といえるこの地域では特に、床からの寒さ対策を重視して隙間なく、後から施工できるアイシネンという吹付断熱材を採用。

↑施工中の写真

施工中の風景。床下が広く 約150mm以上の厚さで吹き付けることができました。軸組み工法,特有の隙間も全て断熱材で塞ぐことができ、底冷えから解放されます。

 

天井には元々断熱材が入っていましたが、更に付加断熱として断熱材を2重に施工しています。

外装リノベーションを採用していたおかげで、外壁解体の時に隅々まで入ることができたので、点検・清掃と同時に断熱材をたっぷり敷き込んでいます。

屋根リフォーム 既存の上から施工できるアスファルトシングル

既存の屋根は昔からよく使用されているカラーベスト、点検したところ現状雨漏りをしているわけではありませんでしたが、ただでさえ割れやすいカラーベストは築30年以上ということを考慮すると、安易に塗装しようと屋根に乗ると割れてしまい、かえって雨漏りの原因になってしまいそうでした。

手を付けないという方法もありましたが、F様とお打合せしたところ、せっかく足場を架けるならこのタイミングでリフォームして、今後30年以上、ノーメンテにした方が良いということになりました。

そこでご提案したのは、「屋根のカバー工法」

既存の屋根材は幸い軽量なカラーベストでしたので、をわざわざ解体して処分するより「カバー工法」の方がコストがグッと抑えることができます。

手順①
既存の屋根を高圧洗浄などをして、よーーく清掃します。(凄く大事)

その後、新築で使うものよりもずっと強力な粘着性能のあるルーフィングをしっかり貼り付けていきます。

手順②
後は通常通りの屋根材を施工します。

アスファルトシングルは、ガラス繊維にアスファルトを浸潤させた基材に玄武岩を粉体塗装している材料で軽く、他の屋根材にはない柔軟性があります。何年経っても乗ったからといって割れる心配がありません。

間取りのリフォームは最低減

F様は元々のスキップフロアの間取りを気に入っており、間取りのリフォームは3カ所だけ。

①玄関とリビングが一体になっている部分を、間仕切りすること。

奥の玄関ドアから入るとリビングが見えていました

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玄関部分を間仕切り、土間を無くして、滑りにくい浮造りの無垢パインの床材を上貼りしています。元々は掘りごたつもありましたがそれもフラットにバリアフリー化しています。

断熱改修は前述したようにバッチリしましたので、床暖房なんて不要で、はだしでも気持ちよく過ごすことができます。

②階段下の納戸スペースをトイレに改修して、トイレを2ヶ所にすること

納戸として何もなかった階段下

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換気扇も取付けた2ヶ所目のトイレにリフォーム

③2階の大きな部屋の間仕切ドアを壁にして2部屋として使えるようにすること

3枚引き戸で間仕切りできるようになっていた2室つづきの部屋

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壁で間仕切り、完全な2部屋の個室にリフォーム、壁紙は張替えていますが床のフローリングは既存のまま、補修の美装を施しています。

水廻りリノベーションで、キッチン、お風呂、トイレは配管ごと交換

さすがに築35年以上… 水廻りの交換はF様も最初からご要望でした。

実はここでも、外装リノベーションをしたメリットがあります。それは外壁を解体したおかげで壁の中の配管をまるっと全て交換することができました。これでお水の衛生面もずっと安心して使えるよになりました。

キッチン

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流しとコンロが離れていたキッチンは、使いやすいシステムキッチンにリフォーム

 

お風呂

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寒かったタイル張の浴室は、暖かいシステムバスにリフォーム

 

洗面脱衣室

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洗面脱衣室は部屋を少し広げて、使いやすくなりました。

今回のリノベのポイントはコストバランス

今回に限らず、リノベーションで大事なのはコストパフォーマンスです。単純に安く工事するということではなく「30年以上住むことを考えた上でのコストパフォーマンス」ということです。

Point.1
外装リノベーションで 外壁・サッシは20~30年ノーメンテ&断熱性能向上で光熱費ダウン

Point.2
屋根カバー工法で 今後30年ノーメンテ 雨漏りの心配無し

Point.3
配管まるごと設備入替で 配管も今後何十年と心配無し

Point.4
室内ドアや、フローリング等、使える物はしっかり利用

Point.5
健康に住み続ける、性能向上を優先、長くノーメンテで住める家に

今回のケースでもコストを抑えるだけなら、外壁は塗り替えにして、屋根も塗装、内装を豪華にすればパッと見はとても良くなります。おそらく業者として中古物件を購入&リフォームして売るのであれば、パッと見、豪華でコストもかかってないので売りやすいのでそうするでしょう。

しかし実際には、たった10~15年もすれば、塗装は落ち初め、断熱改修していない家ならば結露して家の劣化を早める上に月に1万円以上高い光熱費を支払い続けることになります。

どちらがトータルしてコスパがいいかは以外と簡単なことで、何かの事情で何十年後かに売りに出さなければならなくなった時にも資産価値がどちらが高いか言うまでもありません。

何よりもカビや雑菌の発生源となる結露から解放されたお家はそれだけで、室内の空気が良くなり健康面でも安心です。

 

その他の完成写真

玄関ま間仕切ったため少し狭くなったが、開けた途端にリビングが丸見えになるよりも、この広さで十分ということになりました。床はコンクリート土間仕上げ。

入ってすぐ右の扉の奥には玄関土間収納、ここは棚や壁を塗装するだけにとどめています。

 

キッチンはタカラのI型システムキッチン、引出タイプで収納力アップ

リビングダイニングは、掘りごたつを塞ぎたいのと土間部分をフローリングにしたかったので、既存のフローリング利用は断念し、下地調整をして上から薄い6mmの無垢浮造りパイン材で仕上げて明るい雰囲気にチェンジ

室内ドアや階段、元々あった作り付け収納は既存のまま利用して、壁紙のみ張り替えています。

洗面台や便器は年数から今後、漏水の懸念もあったため新しい物に交換

2階は床のフローリングを補修・美装して再利用、サッシの入れ替えだけして結露しない部屋に

納戸は元々あった棚を再利用、& 追加で棚を増やしました。

既存の造り付け収納は悩んだ末にそのまま利用することに

 

気持ちのいいスキップフロアから見上げた天窓、ここだけはサッシの入れ替えをせず、せっかくのデザインを生かしてそのまま残して補修メンテナンスとキレイにお掃除だけしました。